更新日:2023/5/26

タイヤの寿命や交換時期は?タイヤのプロが教えるタイヤを長持ちさせるコツ

「このタイヤ、いつまで使えるの?」なんてタイヤの寿命が気になりませんか。

タイヤ交換時期を知るためにも、タイヤを長持ちさせるためにも“定期的な点検”が大切です。



こんな状態だったらタイヤの交換時期かもしれません


いまお乗りになっているおクルマのタイヤ、どのくらい減っているかチェックしたことはありますか? また、取り付けてからどのくらいの年月が経っているか覚えていらっしゃいますか?


タイヤのコンディションって意外と見落としがちなものですが、タイヤは消耗品です。ゴムでできているので走行を重ねるうちにすり減りますし経年劣化も進みます。ですから定期的点検がとても大切。タイヤの状態を見極めるには、以下の確認がポイントになります。


・残溝

タイヤの溝は、走行に伴い「摩耗」によって少しずつ浅くなります。溝が浅くなると雨の日の排水性が低下し、ブレーキ性能の低下や高速走行時の安定性の低下を招く恐れがあります。


・外傷

経年劣化のほか、走行中の異物の乗り越え、サイドウォールへの接触などで、タイヤに「傷」や「ひび割れ」が発生します。また、経年劣化によりゴムが「硬化」し、タイヤの性能を低下させます。


・偏摩耗

タイヤのトレッド(路面との接地面)が道路条件や使用条件等により、部分的に異常摩耗する現象が「偏摩耗」です。タイヤの異常なすり減りは、空気圧が適正でない場合などに生じます。


このような症状が気になったら、すぐにタイヤ専門店へご相談ください。



交換時期の見分け方:サマータイヤ編


それでは、タイヤの交換時期の見分け方を、すり減り具合の確認を中心にもう少し詳しくご説明いたします。まずはサマータイヤ(夏用タイヤ)についてです。


視界が悪く、道路が滑りやすくなる雨の日の運転って、ちょっと憂鬱ですよね。ヒヤッとされた経験をお持ちの方も多いでしょうし、より一層注意しながら走ると疲れの度合も違うと思います。


そんな雨の日もより快適にクルマで移動したいなら、やはりタイヤのコンディションが重要です。タイヤがすり減り、溝が浅くなると、クルマを進める駆動力だけでなく、しっかり止めるための制動力も不足し、制動距離がのびることあります。雨中ではその傾向が顕著になりますので、タイヤの「すり減り具合」には気をつけたいところです。


とくに雨の日の高速道路等では、溝が浅くなっているとタイヤと路面の間の水をかき出す力(排水性能)が低くなり、タイヤが路面から浮く状態になることで、ハンドルやブレーキが利かなくなる「ハイドロプレーニング現象」が発生しやすくなります。


では、タイヤがどこまですり減ったら交換すればいいのでしょうか。じつはタイヤの摩耗状態を目安にした使用限度にはちゃんと決まりがあります。


タイヤには、残り溝が溝深さの使用限度である1.6ミリになる目安として「スリップサイン」が設けられています。摩耗したタイヤで走ると危険なため、「スリップサイン」がタイヤの周上で1ヵ所でも露出すると、そのタイヤは使用してはいけないことが法律で定められています。もちろんタイヤのコンディションについては、ひび割れやキズなどそのほかの劣化具合も重要ですが、摩耗度合いについては「スリップサイン」が基準になります。


ただし、これはギリギリまで使用したときのお話。より安全に、そして安心感を保ちながらクルマで移動されたいのならば、タイヤの性能が大きく低下する残り溝4mm以下になれば交換がおすすめです。


また、前述の通り「経年劣化」にも注意が必要です。たとえ溝が十分に残っていても、使用開始から5年以上が経過していたら、ゴムが硬化している可能性がありますので早めに交換したいところです。



交換時期の見分け方:スタッドレスタイヤ編


続いてスタッドレスタイヤについてご説明します。スタッドレスタイヤにも夏用タイヤと同様にスリップサインがありますが、これとは別に「プラットホーム」が設けられています。溝の深さが新品時の50%に減って「プラットホーム」がタイヤの周上で1ヵ所でも露出すると、冬用タイヤとしては使用できません。ただし、50%以上摩耗した冬用タイヤでも、スリップサインの露出までは夏用タイヤとして使用できます。


また、スタッドレスタイヤは雪上や氷上でのグリップ力を発揮させるためにゴムの「柔らかさ」が保たれていることが重要です。ですからゴムの硬度も交換時期の目安となりますが、タイヤ専門店では「硬度計」を用いて状態をチェックすることができます。

このほか夏冬タイヤの交換をされている方は、保管場所や保管状態にも注意が必要です。タイヤの劣化につながりやすい直射日光や雨水、油類などはできるだけ避けたほうが良いでしょう。





タイヤのもったいない減り方、偏摩耗に要注意


タイヤを新品に交換されたときに、それまで履いていたタイヤが「偏摩耗」していると指摘されたことはありませんか? タイヤのもったいない減り方、つまり「偏摩耗」という言葉は聞いたことがあるけれど、どんなふうに減るの?という方もいらっしゃると思います。


「偏摩耗」とは、タイヤのトレッド(路面との接地面)が道路条件や使用条件等により、部分的に異常摩耗する現象です。トレッドの片側だけが早く摩耗する「片べり摩耗」、タイヤのトレッドの中心部に比べ、両肩(ショルダー部)が早く摩耗する「両肩べり摩耗」、タイヤのトレッドのショルダー部に比べ中心部が早く摩耗する「センター摩耗」がよく見られますが、このほかにも、「局部摩耗(スポット摩耗)」や「ヒール&トウ摩耗(段減り)」といった現象もあります。


「偏摩耗」はタイヤの寿命を縮めるだけでなく、排水性などタイヤ本来の性能を悪化させる場合があり、走行中の振動や騒音の原因にもなります。


偏摩耗に気づくことも大切ですが、日頃から愛車のタイヤが偏摩耗しないようにすることも大事です。偏摩耗を防ぐには、まずこめまめな空気圧点検による「タイヤの適正空気圧保持」がとても重要なのです。



もしものパンク、そのときどうしますか?


さて、経験されたことがないとあまり自分事のように感じられていらっしゃらない方も多いかもしれませんが、タイヤのパンクはクルマのトラブルの中でも頻度の高いものです。2021年におけるJAFのロードサービス出動理由を調べたデータでは、1位が全体の約40.7%を占めるバッテリー上がり、そして2位が約18.6%のタイヤのパンク・バースト・エアー圧不足と続きます。そのためクルマを運転するドライバーはタイヤのトラブルに備える必要があります。


パンクしてしまった場合は、状況が許すのであれば、それ以上走行せずに後続車からはっきり見え、他車のスムーズな走行を妨げない安全な場所にクルマを停めます。修理が可能なパンクであっても、そのまま走行してしまうとさらにタイヤが損傷し修理できなくなってしまうことがあり、ホイールや車体を痛めてしまうこともあります。


また、パンクした際の対応は、搭載されている「スペアタイヤ」への交換をご経験の方もいらっしゃるでしょうが、現在は一時的な走行を可能にする「パンク応急修理キット」がスペアタイヤに取って代わりつつあります。おクルマがスペアタイヤ、パンク応急修理キットのどちらを搭載しているのか、さらに使用方法については確認しておかれることをおすすめします。


ただし、いずれにしてもパンク後には点検が必要です。ホイールナットの本締めを行う際には、力任せに締め付けてしまうとボルトが破損してしまう場合があるので、本来はクルマの取扱説明書に記載がある規定トルク(締め付ける力)で締め付けます。定められた締め付けルクで作業できる工具「トルクレンチ」を用意しておけばいいのですが、車載のホイールナットレンチで作業した場合は、できるだけ早くタイヤ専門店や修理工場、ガソリンスタンド等にて規定のトルクで本締めを行ってください。



お財布にもやさしい、タイヤの寿命を延ばす方法


タイヤを長く使用するには、なんといっても「日常点検」が大切です。空気圧の低下は偏摩耗の発生につながりますし、パンクの早期発見、残溝・偏摩耗・キズ等を早めに見つけることで、適切な対応をができることもあります。


なかでもこまめに行っていただきたいのが「空気圧点検」。最低でも1ヵ月に一度程度の空気圧点検を行い、空気圧不足にならないように注意しましょう。抜けにくくコンディションの管理がしやすい「窒素ガス」の充填もおすすめです。


タイヤの空気圧は車種ごとに自動車メーカーが指定しています。これが適正な空気圧です。車両マニュアルのほか、運転席側のドア付近や給油口などに貼付された「空気圧表示シール」に記載されています。最近はセルフのガソリンスタンドが増え、ご自分で空気圧の充填を行うこともあると思いますので、確認しておくといいですね。自然に空気が漏れることによる空気圧低下を考慮し、指定空気圧を基準として0~+20kPaの範囲内で調整・管理することをおすすめします。


「空気圧点検」のほかにもタイヤの寿命を延ばすための方法がありますので、さらに2つご紹介しましょう。



タイヤの減り方を均一化する「定期的なタイヤのローテーション」


走行距離がのびれば、それに合わせてすり減っていくのがタイヤです。経年劣化が理由になることもありますが、コンスタントに愛車を運転される方の場合は摩耗度合いで交換に至ることが多いのではないかと思います。


消耗部品とわかってはいても、交換にかかる費用を考えればタイヤをできるだけ長く使いたいと思うのは当然でしょう。大事なのは「もったいないタイヤの使い方」をしないこと。タイヤの接地面が全体的に減る、つまりきれいに使いきれば、タイヤはより長く使用できます。そんな“タイヤ長持ち”に効くのが「ローテーション(位置交換)」です。


タイヤは同じ位置に固定して長く走行していると、一部分だけが摩耗してしまうことがあります。タイヤの寿命を延ばすためにも、定期的にタイヤの位置交換を行う、これが「ローテーション」です。タイヤの位置交換を行うことで、装着位置によって異なる摩耗のくせを均一化し、より長く使用できるようにするわけです。位置交換の時期は車種やタイヤの種類で異なりますが、5000km走行で1回が目安となります。


また、具体的な位置交換の方法はタイヤの種類やクルマの駆動方式によって異なります。参考までに位置交換例を下の図で示しましたが、前後で異なるサイズ表示(ロードインデックスの違いも含む)のタイヤが装着されている場合、このようなローテーションは行えません。



アライメントがずれているともったいない減り方につながることがあります


そしてもうひとつ、タイヤのもったいない減り方「偏摩耗」については、アライメントが大きく関わっていることがあります。


クルマのタイヤ・ホイールは複雑な構造を持つサスペンションによって支えられていますが、車体に対してタイヤとホイールが取り付けられる角度や位置関係を「アライメント」といいます。そして偏摩耗のひとつの原因として挙げられるのが「アライメントのずれ」なのです。せっかく新品タイヤに交換しても、そのままにしておくとまた偏摩耗を引き起こしタイヤの寿命を縮めてしまうかもしれません。


アライメントはクルマが受ける衝撃や長年の使用によって、少しずつずれることがあります。このずれを確認(測定)し、その結果を踏まえクルマに合わせて足回りの微妙な角度の歪みを調整する一連の作業が「アライメント測定・調整」です。


この作業は専用の機材を使用します。クルマの状態を「アライメントテスター」で測定し、そのデータをもとにクルマに合わせた調整を行います。


タイヤの寿命を延ばすだけでなく、性能を存分に引き出し、快適でスムーズな走りを楽しむためにも調整を行っておきたいものです。アライメント作業は定期的に行うのが理想ですが、タイヤ交換の時期におこなうのもひとつのタイミングの目安となります。



タイヤ交換の際はおクルマと使い方にあわせてチョイス


もしタイヤを交換することになったら、愛車にどんなタイヤがピッタリなのか? その点も気になりますよね。おクルマに合ったサイズを選ぶのはもちろんなのですが、スポーティなドライビングの楽しさを追求したものや、快適性を最優先に考えたタイプなどさまざまな種類があります。さらに、軽自動車・コンパクトカー向けや、ミニバン用、SUV用など、車種に合わせたタイヤもあります。ここでは、ブリヂストンの主な乗用車向けタイヤのラインアップをご紹介しましょう。


【「GREAT BALANCE」を追求し、静かで快適な室内空間を実現したREGNO】

「REGNO」は、「直進安定性能」「ドライ性能」「ウェット性能」「静粛性能」「快適性能」「低燃費性能」「耐摩耗性能」という、タイヤに求められる7つの性能を高次元でバランスさせた“グレートバランス”をコンセプトとしたフラッグシップブランドです。すべての性能を磨き上げ、“最高”の走りを追求していますが、なかでも優れた静粛性と乗り心地に好評をいただいています。セダンやコンパクトカーなど幅広い車種に向けた「GR-XⅡ」、ミニバン専用の「GRVⅡ」、軽自動車専用の「GR-Leggera」と、車種にあわせてお選びいただけます。


【優れた運動性能によって走る楽しさを満喫できるPOTENZA】

スポーティドライビングの楽しさを追求したのがPOTENZAで、「RE-71RS」、「S007A」、「Adrenalin RE004」の3モデルがラインナップされています。「POTENZA RE-71RS」は、サーキット走行など本格的なスポーツドライビングにおいて性能を発揮すべく開発され、優れたグリップ力とコントロール性を獲得した“リアル・スポーツPOTENZA”という位置づけ。そして「POTENZA S007A」は、ドライ&ウェット性能だけでなく、静粛性や乗り心地にも配慮することで“さらに進化したプレミアムPOTENZA”です。「POTENZA Adrenalin RE004」は、高次元のドライ・ウェット性能と快適性を両立し、さらにデザインも魅力的な“スタイリッシュPOTENZA”として幅広い車種に対応しています。


【「疲れにくい」を実現し、さらにウェット性能・ライフ性能が進化したPlayz】

「Playz PXⅡシリーズ」は、路面との接地を安定させることで、運転中にストレスを蓄積する要因となる無意識のハンドル操作を減らし、「疲れにくい」を実現。また、お客様の雨の日の安全を長くサポートする為に、新品時に加えて摩耗時のウェット性能も進化させ、さらにライフ性能も向上しています。セダンをはじめコンパクトカー、スポーツカーなど幅広い車種向けの「Playz PXⅡ」、ミニバン専用の「Playz PX-RVⅡ」をラインアップしています。


【安全性と経済性をしっかり両立した低燃費タイヤ「ECOPIA」】

安全性能や操縦性能、ライフ性能などタイヤに求められる諸性能を高次元でバランスさせながら、転がり抵抗低減を実現した低燃費タイヤが、「ECOPIA NH200シリーズ」です。ウェット性能・ライフ性能を高め、安全性と経済性をしっかり両立。さらに車種専用設計を行い、セダン・クーペ専用の「ECOPIA NH200」、軽・コンパクトカー専用の「ECOPIA NH200 C」を用意しています。


【ブリヂストンの低燃費ベーシックタイヤ「NEWNO」】

接地形状の適正化とシリカ配合ゴムの採用、さらにはブリヂストンの独⾃技術ULTIMAT EYE®(アルティメット アイ)によるタイヤパタンと形状の最適化によって、雨の日の安全性能が進化し、高いライフ性能の実現で経済性も向上した、ブリヂストンの低燃費ベーシックタイヤです。豊富なサイズラインアップを揃え、セダンから軽・コンパクトカーまで幅広い車種に対応しています。


【幅広い走行ステージでSUV/4×4の走りを支えるALENZA】

ALENZAシリーズは、オンロードで優れた性能を発揮できるよう開発されたプレミアムSUV向けタイヤです。「ALENZA 001」は、プレミアムSUVのスポーティな運動性能を高次元で引き出すために専用設計され、オンロードでの高いドライ、ウェット性能に加え、低燃費性能、ライフ性能にも配慮しているのが特徴。「ALENZA LX100」は快適性を重視したSUV用タイヤ。高次元の静粛性の実現、SUV専用設計によるふらつき低減と乗り心地向上、高い耐摩耗性などを実現しています。


クルマに合わせた、そしてクルマの使い方に合わせたタイヤ選びはとっても大事。クルマの性能を引き出すため、新車時に装着されていたタイヤの性能を基準にお客様のニーズに応えるタイヤを選ぶことをおすすめします。



コクピット・タイヤ館でタイヤをはじめおクルマの安全点検を!


クルマを路肩に寄せすぎたり、駐車場の車止めにぶつけたりして、お気に入りのホイールを傷つけてしまったという経験は、多くの方がお持ちなのではないかと思います。とっても残念な気持ちになりますが、そんなときタイヤのことも気にかけていらっしゃいますか? また、タイヤの見える側”、サイドウォールはワックスを塗ってきれいにしても、ボディに隠れた接地面がどんな状態なのかチェックしたことがない方は多いのではないでしょうか。


そうなんです。タイヤのコンディションチェックって、意外に忘れがち。ならばそんなタイヤの点検は、コクピット・タイヤ館におまかせください。コクピット・タイヤ館ではクルマの安全走行に欠かせないタイヤのチェックを「タイヤセーフティー点検」として、空気圧、偏摩耗、外傷、残溝の4項目にわたり無料で実施しています。


さらにコクピット・タイヤ館では、タイヤをご購入されたお客さまに、100kmの走行をめどに空気圧点検とあわせてホイールナットの再確認(増し締め)を無料で実施させていただく「100km点検」を実施しています。


新品タイヤはホイールになじむ過程で空気圧が低下する場合があります。偏ったタイヤのすり減りや燃費に影響を与えるタイヤの空気圧の低下がないかどうかをチェックいたします。また、新品タイヤのホイールナットは、初期走行の環境変化等により、ごくまれに緩む可能性があります。専用工具を使ってチェックし、万一緩みがあった場合は、規定のトルクで増し締めを実施します。


タイヤのことならブリヂストンのタイヤ専門店「コクピット・タイヤ館」へ。そしてご来店の際にはWEB予約をご利用いただくと、待ち時間がなくとても便利です。ぜひご活用ください。


タイヤは、命を乗せています。ぜひ日頃の点検によってトラブルを未然に防ぎ、快適なドライブを楽しんでくださいね。


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