更新日:2023/5/30

車検と法定点検と日常点検の違いは?車を長持ちさせるには日常点検が大切

クルマのコンディションを保つために欠かせない

「点検・整備」はいつどこで行えばいいの?

法定点検や日常のメンテナンスのポイントを解説



「車検」と「法定点検」は役割が異なります


最近は1台のクルマを長く乗り続ける方が増えているようで、走行距離が10万キロを越えても、快適な走りを楽しまれていらっしゃる例をよく見かけます。クルマの品質や耐久性が向上し、壊れにくくなったこともクルマの寿命が延びている理由でしょうが、愛着のあるものと長く付き合うライフスタイルが好まれているのかもしれませんね。


とは言っても、クルマには定期的に交換が必要な消耗部品が数多く用いられていますし、経年劣化が否めない箇所もたくさんあります。ですから、より安全・安心なカーライフを満喫するためには、愛車のコンディションをしっかり把握して、問題点を見つけたら的確な整備を行うことが重要になります。


つまり「点検・整備」はクルマに乗るうえで欠かせないものです。そして、道路運送車両法においては、クルマのユーザーは決められた期間ごとに、国土交通省が定めた項目でクルマを点検する義務を負うと定められており、これを「法定点検」もしくは「定期点検」と言います。自家用の乗用車・軽自動車は12ヶ月点検(1年点検)と24ヶ月点検(2年点検)があり、安全に走行するための定期点検整備と位置づけられています。


自家用の乗用車・軽自動車の「法定点検」は、「エンジンルーム」、「運転席」、「クルマの周囲」、「クルマの下回り」と多岐にわたり、12ヶ月点検で26項目、24ヶ月点検では56項目の点検項目があります。点検についてはオーナー自身でもできますが、細かく項目が決められているので専門知識を持った整備工場等で作業することをおすすめします。国の認証を受けているディーラー、指定整備工場、認証整備工場であれば、点検・整備を行ったことが履歴として残る点検記録簿を発行し、法定点検ステッカーも配布できるので、しっかりとメンテナンスを行っている証になります。


ちなみに、点検・整備というと「車検とは違うの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。「車検」は安全面・環境面の基準に適合しているかを確認する検査です。したがって交換が望ましい部品があっても、基準に達していれば検査に通ります。クルマがトラブルを起こさないよう、事前に点検・整備する「法定点検」とはこの点が異なります。ただし、「車検」と「24ヶ月点検」は時期が重なるので、ほとんどの場合は同時に行います。



クルマを運転していて気になることは「日常点検」で解決


クルマの健康を良好に保つためには、使用者が行わなければならないもうひとつの「点検」があります。それは「日常点検」で、道路運送車両法において日常的に点検することが義務付けられています。主に目視などによる点検が求められており、以下の15項目の点検が設定されています。


【エンジンルーム】

・ブレーキフルードの量

・冷却水の量

・エンジンオイルの量

・バッテリー液の量

・ウインドーウォッシャー液の量


【クルマのまわり】

・ランプ類の点灯・点滅

・タイヤの亀裂・損傷有無

・タイヤの空気圧

・タイヤの溝の深さ


【運転席】

エンジンのかかり具合・異音

ウインドーウォッシャー液の噴射状態

ワイパーの拭き取り能力

ブレーキの踏み残りしろと利き具合

駐車ブレーキの引きしろ(踏みしろ)

エンジンの低速・加速状態


このような日常の点検は、消耗部品の劣化や損傷を早めに発見することにもつながります。より安全・安心・快適なカーライフのために、「日常点検」についてもおろそかにしないよう心がけたいものです。



「日常点検」で消耗部品の交換時期をチェック


それでは「日常点検」について、大きなポイントとなる項目をいくつかピックアップしてご説明しましょう。まずは、「エンジンオイル」について取り上げます。タイヤやバッテリーよりも交換頻度が高いのに、ついついさぼってしまいがちなのがエンジンオイルの交換です。


エンジンオイルの働きは、「潤滑」「密封」「清浄分散」「冷却」「防錆・防蝕」。これを「5大作用」なんて呼んだりしますが、より簡単に説明すれば、エンジンを保護し、また動作をスムーズにする作用、そして冷却する作用です。


交換の目安は3,000km~5,000km走行ごと、もしくは3ヶ月〜6ヶ月という期間がおすすめです。また、クルマの使用状況により劣化の度合いは異なりますので、エンジンのコンディションを良好に保つためには、やはり早め早めの交換が推奨されています。


多くのクルマは取扱説明書に推奨オイル規格が記載されています。「5W-30」とか「10W-30」という表記を目にしたことはありませんか? これはエンジンオイルにも記載されているので、おクルマにあった規格を選んでいただくことが基本になります。


例えば、高回転を使用することが多い高性能エンジンには、エンジン内部を保護するために粘り気が強く硬いエンジンオイルを合わせることが多いのですが、エンジン内での抵抗が大きくなるので省燃費性能がいいとは言えません。一方、最近のエコカーやハイブリッド車など省燃費車には、サラサラで軟らかい低粘度の推奨オイルを使用しないと燃費が悪くなることがあります。


続いては「ワイパー」についてご説明しましょう。見慣れたパーツゆえ、その大切さについて思いを巡らせることはあまりないかもしれませんが、土砂降りのなかでワイパーなしで走行するなんてとても考えられませんよ。梅雨時はもちろんのこと、最近はゲリラ豪雨などに見舞われることも多くなり、降雨に対する備えはより重要になっています。


ワイパーはとっても大切な役割を担っているわけですが、ずっと使い続けることができるわけではなく、これもまた消耗部品のひとつです。スチールの骨組みが露出したトーナメント式と言われる一般的なワイパーは、クルマ側に取り付けられ左右に動くワイパーアーム、ワイパーゴムをガラスに押しつけるワイパーブレード、そしてガラス面を拭き取るワイパーゴムで構成されています。劣化しやすいゴムの部分だけを交換できる場合もありますが、ワイパーブレードの劣化も拭き取り性能に影響するので、ブレードごとの交換をおすすめします。


また、近年はゴムに撥水性能を与えたタイプのほか、ブレードとゴムが一体になったフラットワイパーと呼ばれるタイプも登場。一見昔から変わらない部品のように見えるワイパーですが、じつはとても進化しているのです。もし、降雨でワイパーを動かしたときに拭きムラができるなど拭雨性能の低下を感じたら、ぜひ早めに交換しましょう。目安としては1年に一度の交換がおすすめです。「ワイパーって、いつ換えたんだっけ?」という方は要注意ですよ。


3つめは「エアコンフィルター」です。こちらは「日常点検」の15項目には含まれていませんが、心地よい移動を行うためには重要なパーツとなり、定期的な交換が必要です。最近のクルマのほとんどはエアコンフィルターを備えています。快適な車内環境を実現する上で侵入させたくない花粉やダスト、排気ガス、不快な臭い等を除去し空気をクリーンにする役目を持っています。


フィルターは集塵した微粒子などで汚れますから、たとえ高性能なエアコンフィルターでも、古くなって汚れたまま使用し続けると室内にイヤなニオイが漂ったり、目詰まりによって燃費やエアコンの利きに影響する可能性があります。一般的な交換の目安は1年もしくは走行1万kmほど。エアコンフィルターはグルーブボックスの奥などちょっとわかりにくい場所に取り付けられていますので、クルマの点検・整備を行っているお店などで確認してもらうのが得策です。


次は「バッテリー」。交換後から徐々に性能低下がはじまり、寿命末期に突然性能がダウンします。そのためクルマを使用するなかで性能低下の兆候を捉えるのはなかなか難しく、交換のタイミングを判断するのは容易ではありません。そこで大事なのが「点検」。最新の専用機材(バッテリーチェッカー)を使用して点検を行えば、コンディションを正確に判断できます。バッテリーの交換目安は2~3年ですが、おクルマの使い方や使用環境などによっても変わってきますので、ぜひバッテリーチェッカーを備えたカーショップ等で定期的に点検を行ってください。


なお、バッテリー交換の際は、クルマにあったバッテリーを選ぶことが重要です。規格・形式表示が対応するものであることはもちろんなのですが、そのほかにも「充電制御車」、「アイドリングストップ車」、「ハイブリッド車」といった近年のエコカーは注意が必要です。


まず「充電制御車」について。走行状態や充電状態に合わせてバッテリーの充電時間を短縮するシステムを搭載しているクルマで、発電を担うオルタネータの稼働を休止しエンジンの負荷を軽減することにより燃費を向上させています。つまりオルタネータが発電したり停止したりを繰り返すわけですが、これに対応できるよう効率的に充電できるバッテリーが必要になり、充電制御車対応バッテリーの搭載が求められます。


次に「アイドリングストップ車」。信号待ちでなどでエンジンを停止する“アイドリングストップ”は、いまや発売されているほとんどのクルマであたりまえになっている環境性能を高めるための技術です。しかし、アイドリングストップシステム搭載車のバッテリーは、エンジンの停止と始動を頻繁に行いますし、さらにエンジン停止時にも電力を供給し続けるため電力不足に陥りやすく、バッテリーはとても過酷な状況に置かれています。そのためアイドリングストップ車に対応したバッテリーを搭載することが必要になります。アイドリングストップ車にはアイドリングストップ車用バッテリーを使用してください。


そして「ハイブリッド車」。エンジンとモーターを上手に使い分けし、CO2排出量やガソリン消費量を減らす環境にやさしいハイブリッド車は、ハイブリッドシステムを起動するための補機用バッテリーが車内に搭載されており、定期的な交換が必要となります。



快適にクルマを使用するため必要不可欠な整備は、タイミングを逃さないことが大切


クルマは移動手段として便利な乗り物であるだけでなく、運転することによる鮮やかな体験や家族や仲間と共有する心に残る思い出など、豊かな生活を送るためになくてはならないものと感じていらっしゃる方も多いことでしょう。そんな大切なパートナーであるからこそ、いつも安心感を持ってステアリングを握ることができるグッドコンディションを維持したいものです。


そして、そのために必要なのが「点検・整備」です。不具合をいち早く見つけ出し、大きなトラブルへと発展する前に対処することが、クルマを快適さを損なわずに長く乗るための秘訣です。エンジンオイル、ワイパー、エアコンフィルター、バッテリーについて説明いたしましたが、タイヤも定期的に点検を行う必要がある、クルマの重要な部品です。


そんなタイヤの点検なら、コクピット・タイヤ館におまかせください。コクピット・タイヤ館ではクルマの安全走行に欠かせないタイヤのチェックを「タイヤセーフティー点検」として、空気圧、偏摩耗、外傷、残溝の4項目にわたり無料で実施しています。


また、コクピット・タイヤ館では、タイヤをご購入されたお客さまに、100kmの走行をめどに空気圧点検とあわせてホイールナットの再確認(増し締め)を無料で実施させていただく「100km点検」を実施しています。


新品タイヤはホイールになじむ過程で空気圧が低下する場合があります。偏ったタイヤのすり減りや燃費に影響を与えるタイヤの空気圧の低下がないかどうかをチェックいたします。また、新品タイヤのホイールナットは、初期走行の環境変化等により、ごくまれに緩む可能性があります。専用工具を使ってチェックし、万一緩みがあった場合は、規定のトルクで増し締めを実施します。


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さらに、コクピット・タイヤ館では「メンテナンス安全点検」として、おクルマに関するさまざまな点検も無料で行っています。「日常点検は大切だけど、自分でしっかりできるかな」とご不安でしたら、ぜひご来店ください。オイル、バッテリー、ワイパーブレードといったついつい見落としがちな部品から、エアコンフィルターや冷却水、灯火類まで幅広くチェックいたします。


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